日々回復不能

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厚生年金逃れ、国の想定以上 建設業・ごみ収集員も

『厚生年金逃れ、国の想定以上 建設業・ごみ収集員も』

ニュースに関するコメント

 

今朝の朝刊でも3面あたりでとりあげられていたと記憶してます・・・

 

おそらく、マイナンバーの設置にともない、厚生年金の加入実態も今まで以上に明らかになってきたものと思われます。

私自身も20歳前後の頃に、どブラックな業態の企業で、名ばかり管理者として働いていた過去があり、人事には思えないものがあります。

 

 

そもそも『厚生年金逃れ』ってどういうこと?

年金という社会保障制度について、どの程度理解されてますか?

一般的には、「定年退職して、労働収入が途絶えた後の生活保障、つまり老後のための積み立て(公的でしかも強制な)である」と説明されることが多いと思います。

こういった説明の仕方自体、実は私は好きではないのですが、それについては機会があればお話させていただくとして、ここでは年金制度についてと、厚生年金逃れについて書き記していきます。

 

年金制度がないとどうなるの?

もし年金制度がないとどうなってしまうのか?・・・

これは、日本に公的な年金制度がなかった頃のことを考えれば、ある程度想像がつくと思います。

日本における公的な年金制度は、戦後から段階的に導入されてきたものですが、それまでの時代、まともに働くことのできない高齢者はどのような扱いを受けてきたのでしょうか?

皆さんは、『姥捨て山』ってご存知ですか?

詳しくはwikipediaのページ、うばすてやま - Wikipedia をご覧いただきたいのですが、働くことのできない老人を山にうち捨てていくという主題による物語(民話)です。

要するに、公的な年金制度がない場合、老後に備えて貯えを持てない社会層においては、高齢者が経済的に非常な重荷になってしまうということです。(あなたに親がいる場合、それを個人の収入だけで養い続けることを想像してみてください。)

介護疲れで、親を殺してしまうようなニュースも、ときおりとりあげられますが、年金制度がなかったとしたら、親殺しや高齢者に対する虐待高齢者の自殺は飛躍的に増えるに違いありません。

 

『厚生年金』ってなに?

公的な年金制度の中身には、大きくわけて2種類があります。

ひとつは、「国民年金」と呼ばれるもので、原則として、20歳以上60歳未満の日本に居住するすべての国民に強制加入の義務があるものです。

毎月定額の保険料を支払うことで、65歳以降に「老齢基礎年金」を受け取ることができます。納入期間によっては差も出てきますが、年金保険料を40年間支払い終ったとして、一月あたり約65,000円の年金を受け取ることができます。

ふたつめは、「厚生年金」と呼ばれるもので、企業で働く労働者や公務員が加入するものです。加入の義務は本人にはなく、雇用する企業や団体(様々な法人)が個人を加入させる義務を負います。法人として登記されている企業は、原則として正規雇用の全ての職員を厚生年金に加入させる義務を負っています。

厚生年金の年金保険料は、給与(賞与含む)の額に応じて増減します。そして、重要なポイントとして、その保険料は、個人と雇用している法人との折半で納付するという点です。たとえば月額の給与が額面で30万円弱のサラリーマンがいるとしたら、その年金保険料はおおむね5万円以上(ひと月あたり)になりますが、その半分を個人が負担し、あとの半分を雇用側の法人が負担します。なお、厚生年金に加入していた個人は、国民年金のみ支払ってきた人よりも、老後にもらえる年金額が多くなります。(納付した額が多いほどもらえる分も増える)

 

法人は折半分を嫌って厚生年金に加入させない

上記で述べたように、厚生年金の保険料は、個人と法人の折半で支払わねばなりません。未だに多くの企業では、この折半分を回避するために、加入の権利を有する従業員を厚生年金に加入させていない実態があるのです。これを「厚生年金逃れ」と言っているのですね・・・

具体的には、労働時間を不当に低く見積もったり、直接雇用ではなく業務委託の形態を装ったりと、いろんな手段を講じて「この人はうちの法人で厚生年金に加入させなきゃいけない義務はないんです」と、本来負担しなければならない保険料を支払わず、また個人の権利や利益を不当に害しているわけです。

 

 

明日は我が身

年金に限らず、全ての社会保障制度の根幹にあるのは、相互扶助の考えです。

私もあなたも、生きていれば年をとりやがて働けなくなります。もしかすると、今日この瞬間になんらかの病気を発症して、身体に障がいをもつかもしれません。

将来生まれてくるあなたの家族は、なんらかのハンディキャップをもっているかもしれません。

明日の自分は、社会保障制度の助けを必要としているかもしれないのです。

 

企業で働いている方で、社会保険未加入の人は、自分にその権利があるかどうか確認してみて下さい。パート労働の方も例外ではありません。

こちらのwebサイトに条件が記載されています・・・ 

社会保険の対象者は? | 社会保険料削減・節約対策サポートセンター|埼玉(さいたま市・浦和区)

 

現在不当に厚生年金逃れを続けている法人の経営者の皆さん、労働争議や、強制加入による、保険料の遡り徴収を避ける方が、リスク回避の観点からは理に適っています。今からでも義務を果たして、本当の意味での健全な企業体質を実現しましょう。

 

 

 

終わりに

 

日本は長寿大国であり、また高齢社会と呼ばれて久しい国です。

社会保障の安定運用は私たちが安心して暮らすための根幹をなす大切な条件のひとつです。

今日より明日、もっとマシな社会になっていることを私は信じています。

 

以上しがない一個人によるコメントでした。